使うスキルと使いこなすスキルは違うのです

それを実感するような記事がありました。

 

日本の学生のパソコンスキルは、先進国で最低レベル(Newsweek)
http://www.newsweekjapan.jp/stories/business/2015/09/post-3899_1.php

 

私が個別サポートで伺った方へパソコン・スマホ・ゲーム機の所持状況を聞いてみた印象でも、同じような感じでした。

 

確かに日常生活での優先順位を考えると、遊びとしてのゲーム機(もしくはスマホ)とコミュニケーションツールとしてのスマホがあれば、あえてパソコンを使う必要性は少ないといえます。

 

もちろん、パソコンでしかできないゲームで遊ぶためにパソコンを使うこともありますが、そんな場合でもゲーム以外を使うかと言えば、使わないのではないでしょうか。

しかも、「ゲームを快適にするために邪魔なウイルス対策ソフトを削除しよう」なんていうのがQ&A掲示板に載ってることもあのですから、恐ろしい話です。

 

では、実際にWordやExcelができないかと問われれば、答えは「No」です。

 

求職者支援訓練や個別の要望でOfficeソフトの使い方を教えている時にも、20代の方は比較的早いペースで文書や表を作り進めていました。

やはり小さいころから複雑な機器を触れる環境にあったので、一定レベルで使うことはできるのです。

 

しかしここにポイントがあります。
いまお話ししたのはあくまで、「テキストに基づいた作例を作り進める場合」に限ります。

 

これが「完成例のみ提示して実際に作ってみましょう」という練習になると一変します。先ほどまで何の支障もなく作っていたのに全く進まなくなる人が現れます。

また、完成例をパソコンでの出力ではなく手書きのサンプルにすると、進まなくなる人の比率が上がります。

 

「覚えないと就職が厳しくなる」「これから使わなければいけない」など、必要に迫られている人でもこうなのですから、大多数の人が使う状況になったらどうなるのか?
できる人の比率は決して高くないことがわかります。

 

「社会に出てから覚えればいいじゃないか」「学校できちんとやれば大丈夫だよ」という声もあるかもですが、そうもいえません。

 

まず、社会に出た時点で求められるのは「即戦力」です。ともすれば筆記用具のようにパソコンが使えて当然という風潮もある中で、ゆっくり勉強しながら使える環境はどれだけあるでしょうか。

 

仕事をするうえでのパソコン利用は「過程」です。作った「結果」が重視されて当然ですから、その手前で詰まることで低い評価とみなされる危険性もあります。

 

では学校でのパソコン教育はどうでしょう。

一部ではより深く教えているところもあるかもしれませんが、主要教科のカリキュラムだけでもいっぱいで、それらを限られた時間でこなさねばなりません。
結果、パソコン授業の内容は「作成途中のサンプルに少々手を加える」というものになり、これだけで総合的に使いこなせるものかどうかは疑問です。

 

現状のスキルを語るうえで、まずは

 

「スマホやゲームをしているからパソコンもできる」

 

という幻想を捨てることです。

 

パソコンで何らかのものを作ることが「簡単にできる」というは初期段階の話です。
練習だけで即実践とならないのは他の分野と同様で、現場では一定の経験と技術が必要なのです。

 

この点を認識して教えることができる場をより多く用意することも今後必要なのでしょう。
とりあえずは私に相談してみてください。基礎から実践まで、それぞれに合わせてしっかり対応します。

 

と、最後は宣伝してみました(笑

コメント

タイトルとURLをコピーしました